2007年02月01日
[編集部]映画の楽しみ方(その17)
こんにちは。
キャンパスドットコム大学編集部です。
今回のアカデミー賞ノミネートで「バベル」「リトル・ミス・サンシャイン」
「ディパーテッド」あたりが話題になっている。日本では目覚ましTVでもや
ってたけど2006年に公開された映画の興行成績が発表された。2006年
は興行収入と公開作品数(821本)が過去最高になり、21年ぶりに邦画シ
ェアが53%と洋画を逆転したそうだ。どうも洋画全体が続編頼みになってい
る現状に比べ、邦画の若手作家たちの佳作がコンスタントにヒットしたのが要
因と思われる。
邦画上位は「ゲド戦記」、「海猿」の続編、「THE有頂天ホテル」「日本沈
没」「デスノート」の後編、「男たちの大和」あたりが50億を超えている。
洋画では「ハリポタ」の最新作、「パイレーツ」の続編が100億超えで、
「ダ・ヴィンチ・コード」「ナルニア」の第一章、「M:i:III」が50億
越えである。個人的には洋画10位の「キングコング」が「フライトプラン」
よりも興行収入がふるわなかったのには驚きではあるが。
ぜひこれからも日本映画の若手クリエイターの方々には、”パニック””続
編””ハンディキャップ””ホラー”といった目先の成績を求めず、大人の鑑
賞に堪えうる心に残る名作を世に送り出して欲しいものである。
という訳で(?)今回は何の脈絡も無く、冬(秋?)の夜長にミステリー&
サスペンスで楽しんじゃおうってことで面白そうなのを紹介しちゃうぜ。
《ナゾ解きーで観る...》
筆者大好きデ・パルマ監督の作品ではヒッチコックの「サイコ」を意識した
「殺しのドレス」よりも、ちょっとHな「ボディ・ダブル」や「ミッドナイト
クロス」のほうがスキ。後者では「パルプフィクション」で見事復活後は渋く
てセクシーなトラボルタがこの頃はかのディスコ映画でブレイクしたての若々
しさ。ジョン・リスゴーのサイコぶりもキモ怖いし、トラボルタとナンシー・
アレンの悲恋が切ない。デ・パルマ得意のミステリー展開も楽しいけど、筆者
はなんと言っても切なく美しいラストの花火のシーンが大好き。泣けるぜ。
「バッドマンビギンズ」のクリストファー・ノーラン監督の出世作となった
「メメント」は多分みんな観てるよねー。映画の内容云々よりも結末から始ま
り過去にさかのぼっていくといった(リワインドムービーと言うそうだ)斬新
な発想だけで楽しませてくれる。妻を殺害されたショックで10分しか記憶を
保てないといったシチュエーションを上手く活かし、主人公のやるせない想い
をうまく伝えている。なんとなく何度も観返したくなる映画である。
※時間軸の逆転遊びと言えば、かのタランティーノ監督の代表作でオールスタ
ーキャスト映画「パルプフィクション」も大好きな作品。
このジャンルではやはりヒッチコック監督をおさらいしとこうね。凝ったカ
メラアングルやハラハラドキドキのどんでん返しはもちろんだけど、ちゃんと
した布石、テンポのよいストーリー展開、そしてお約束の美男美女のラヴ・ロ
マンスとエンターテインメントのお手本的な作品ばかりである。
すべての作品を憶えている訳ではないがやはりなかでも「裏窓」「サイコ」
「北北西に進路を取れ」あたりがお薦め。「裏窓」では脚を骨折したスチュア
ートが部屋から覗き見た向かいのアパートで起こる事件を推理し解決していく
というアイデアが秀逸(アガサ・クリスティのミスマープルを連想するね)。
スチュアートの手足となるグレース・ケリーがこれまためちゃ綺麗。映画を観
ている観客にスチュアートと同じ視線でハラハラドキドキ感情移入をさせとい
て最後はあっと言わせる結末。そして「北北西に進路を取れ」ではなにも知ら
ない主人公がどんどん陰謀に巻き込まれていくテンポと謎解きが楽しい。CG
なんてものはない時代にいきなりセスナとかけっこしたり、謎の女とのお約束
のロマンスもあったりとまさにこれこそが娯楽映画の王道。
※「巻き込まれ型」のサスペンスでは本人の意思に反し翻弄され後半のもりあ
がりが半端じゃない作品としてケビン・コスナーの「追いつめられて」が面白
いし、ラストのバイオレンスシーンだけで名作となった「ワイルドバンチ」の
サム・ペキンパー監督とホフマン主演の「わらの犬」も凄いぞ。
ヨン様フィーバーで絶対韓国映画にははまらないぞと心に誓っていた筆者を
”韓国映画も楽しいかもー”と心変わりさせたのが「殺人の追憶」。韓国で実
在した未解決連続殺人事件を題材にしているらしいいが、そんなことよりソン
・ガンホの演技の素晴らしさに圧倒された。ソウルの片田舎の農村が舞台なん
だけど、まるでハリウッド映画を観ているよう。ダーティーハリーの破天荒さ
とハックマン・ポパイ刑事の執念、そして彼独特の間とユーモアが炸裂する。
「JSA」「大統領の理髪師」も良かったけど「殺人の追憶」の彼がベスト。
同じく韓国映画のミステリー・サスペンスものでは「オールドボーイ」が面
白い。原作は日本の漫画だそうだけど(筆者は読んでいないゴメン)。残虐な
シーンにはちょっと目を覆うが、あっというどんでん返しやエキセントリック
な背景美術センスそして主役の名優ミンシクの演技力に思わず拍手である。
※”復讐3部作”とかの同監督の「親切なクムジャさん」のエグさまでは筆者
ではついていけないけどねー。
「シャレード」はご存知ヘップバーンが大人の女優としての輝きを放ち始め
た頃のお洒落で楽しい作品。サスペンス+コメディ+ロマンスのバランスが絶
妙。「ティファニーで朝食を」でも名曲ムーン・リバーを提供したヘンリー・
マンシーニの音楽でも有名。タイトルのアニメとマンシーニのムーディーな音
楽はピンクパンサーシリーズでも健在である。脇役のウォルター・マッソーや
洒落者コバーンもいい感じだし、最後にあっと言わせておいてハッピーエンド
へ。ドーネン監督のおしゃれ心いっぱいの大人のコメディ。
「カンバセーション・・・盗聴・・・」はハックマンが「フレンチコネクシ
ョン」で映画界の表舞台に踊り出た直後の傑作。かのコッポラ御大が小品なが
らも監督・脚本でその作家性を発揮している。故カザールもちょい役だけどイ
カス。何が真実で何が謎なのか、観るものにいろいろな余韻を残す。ハックマ
ンが他の映画とは違い静かな演技でその孤独と焦燥感を見事に演じている。や
はり名優だねー。劇中に流れる「ソフィスティケイテッド・レディ」(デュー
ク・エリントン)などのジャズBGMの使い方も渋い。
※「スター・ウォーズ」でブレークする前のハリソン・フォードも必見だよ。
近年では前にも書いたけど「ユージュアル・サスペクツ」の大どんでん返し
が楽しいし、ベイシンガーがその妖艶さでアカデミー賞までとっちゃった「L.
A.コンフィデンシャル」あたりも見応えがあるよ。それとコーエン兄弟の「フ
ァーゴ」もその圧倒的な白い世界観・硬質な画質とコーエン得意の変な奴ら達
が楽しい。コーエン兄の実の奥さんでもあるマクドーマンドの自然で暖かな演
技には癒されるし、ご存知変な奴(顔?)代表のブシェミも好演しているぞ。
あっ、それと娯楽映画の最高傑作「スティング」は別格だからね、念のため。
「いやぁ~、映画ってホントにいいもんですねぇ!それじゃあまたご一緒に
楽しみましょう」「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」 by 晴郎長治
キャンパスドットコム大学編集部です。
今回のアカデミー賞ノミネートで「バベル」「リトル・ミス・サンシャイン」
「ディパーテッド」あたりが話題になっている。日本では目覚ましTVでもや
ってたけど2006年に公開された映画の興行成績が発表された。2006年
は興行収入と公開作品数(821本)が過去最高になり、21年ぶりに邦画シ
ェアが53%と洋画を逆転したそうだ。どうも洋画全体が続編頼みになってい
る現状に比べ、邦画の若手作家たちの佳作がコンスタントにヒットしたのが要
因と思われる。
邦画上位は「ゲド戦記」、「海猿」の続編、「THE有頂天ホテル」「日本沈
没」「デスノート」の後編、「男たちの大和」あたりが50億を超えている。
洋画では「ハリポタ」の最新作、「パイレーツ」の続編が100億超えで、
「ダ・ヴィンチ・コード」「ナルニア」の第一章、「M:i:III」が50億
越えである。個人的には洋画10位の「キングコング」が「フライトプラン」
よりも興行収入がふるわなかったのには驚きではあるが。
ぜひこれからも日本映画の若手クリエイターの方々には、”パニック””続
編””ハンディキャップ””ホラー”といった目先の成績を求めず、大人の鑑
賞に堪えうる心に残る名作を世に送り出して欲しいものである。
という訳で(?)今回は何の脈絡も無く、冬(秋?)の夜長にミステリー&
サスペンスで楽しんじゃおうってことで面白そうなのを紹介しちゃうぜ。
《ナゾ解きーで観る...》
筆者大好きデ・パルマ監督の作品ではヒッチコックの「サイコ」を意識した
「殺しのドレス」よりも、ちょっとHな「ボディ・ダブル」や「ミッドナイト
クロス」のほうがスキ。後者では「パルプフィクション」で見事復活後は渋く
てセクシーなトラボルタがこの頃はかのディスコ映画でブレイクしたての若々
しさ。ジョン・リスゴーのサイコぶりもキモ怖いし、トラボルタとナンシー・
アレンの悲恋が切ない。デ・パルマ得意のミステリー展開も楽しいけど、筆者
はなんと言っても切なく美しいラストの花火のシーンが大好き。泣けるぜ。
「バッドマンビギンズ」のクリストファー・ノーラン監督の出世作となった
「メメント」は多分みんな観てるよねー。映画の内容云々よりも結末から始ま
り過去にさかのぼっていくといった(リワインドムービーと言うそうだ)斬新
な発想だけで楽しませてくれる。妻を殺害されたショックで10分しか記憶を
保てないといったシチュエーションを上手く活かし、主人公のやるせない想い
をうまく伝えている。なんとなく何度も観返したくなる映画である。
※時間軸の逆転遊びと言えば、かのタランティーノ監督の代表作でオールスタ
ーキャスト映画「パルプフィクション」も大好きな作品。
このジャンルではやはりヒッチコック監督をおさらいしとこうね。凝ったカ
メラアングルやハラハラドキドキのどんでん返しはもちろんだけど、ちゃんと
した布石、テンポのよいストーリー展開、そしてお約束の美男美女のラヴ・ロ
マンスとエンターテインメントのお手本的な作品ばかりである。
すべての作品を憶えている訳ではないがやはりなかでも「裏窓」「サイコ」
「北北西に進路を取れ」あたりがお薦め。「裏窓」では脚を骨折したスチュア
ートが部屋から覗き見た向かいのアパートで起こる事件を推理し解決していく
というアイデアが秀逸(アガサ・クリスティのミスマープルを連想するね)。
スチュアートの手足となるグレース・ケリーがこれまためちゃ綺麗。映画を観
ている観客にスチュアートと同じ視線でハラハラドキドキ感情移入をさせとい
て最後はあっと言わせる結末。そして「北北西に進路を取れ」ではなにも知ら
ない主人公がどんどん陰謀に巻き込まれていくテンポと謎解きが楽しい。CG
なんてものはない時代にいきなりセスナとかけっこしたり、謎の女とのお約束
のロマンスもあったりとまさにこれこそが娯楽映画の王道。
※「巻き込まれ型」のサスペンスでは本人の意思に反し翻弄され後半のもりあ
がりが半端じゃない作品としてケビン・コスナーの「追いつめられて」が面白
いし、ラストのバイオレンスシーンだけで名作となった「ワイルドバンチ」の
サム・ペキンパー監督とホフマン主演の「わらの犬」も凄いぞ。
ヨン様フィーバーで絶対韓国映画にははまらないぞと心に誓っていた筆者を
”韓国映画も楽しいかもー”と心変わりさせたのが「殺人の追憶」。韓国で実
在した未解決連続殺人事件を題材にしているらしいいが、そんなことよりソン
・ガンホの演技の素晴らしさに圧倒された。ソウルの片田舎の農村が舞台なん
だけど、まるでハリウッド映画を観ているよう。ダーティーハリーの破天荒さ
とハックマン・ポパイ刑事の執念、そして彼独特の間とユーモアが炸裂する。
「JSA」「大統領の理髪師」も良かったけど「殺人の追憶」の彼がベスト。
同じく韓国映画のミステリー・サスペンスものでは「オールドボーイ」が面
白い。原作は日本の漫画だそうだけど(筆者は読んでいないゴメン)。残虐な
シーンにはちょっと目を覆うが、あっというどんでん返しやエキセントリック
な背景美術センスそして主役の名優ミンシクの演技力に思わず拍手である。
※”復讐3部作”とかの同監督の「親切なクムジャさん」のエグさまでは筆者
ではついていけないけどねー。
「シャレード」はご存知ヘップバーンが大人の女優としての輝きを放ち始め
た頃のお洒落で楽しい作品。サスペンス+コメディ+ロマンスのバランスが絶
妙。「ティファニーで朝食を」でも名曲ムーン・リバーを提供したヘンリー・
マンシーニの音楽でも有名。タイトルのアニメとマンシーニのムーディーな音
楽はピンクパンサーシリーズでも健在である。脇役のウォルター・マッソーや
洒落者コバーンもいい感じだし、最後にあっと言わせておいてハッピーエンド
へ。ドーネン監督のおしゃれ心いっぱいの大人のコメディ。
「カンバセーション・・・盗聴・・・」はハックマンが「フレンチコネクシ
ョン」で映画界の表舞台に踊り出た直後の傑作。かのコッポラ御大が小品なが
らも監督・脚本でその作家性を発揮している。故カザールもちょい役だけどイ
カス。何が真実で何が謎なのか、観るものにいろいろな余韻を残す。ハックマ
ンが他の映画とは違い静かな演技でその孤独と焦燥感を見事に演じている。や
はり名優だねー。劇中に流れる「ソフィスティケイテッド・レディ」(デュー
ク・エリントン)などのジャズBGMの使い方も渋い。
※「スター・ウォーズ」でブレークする前のハリソン・フォードも必見だよ。
近年では前にも書いたけど「ユージュアル・サスペクツ」の大どんでん返し
が楽しいし、ベイシンガーがその妖艶さでアカデミー賞までとっちゃった「L.
A.コンフィデンシャル」あたりも見応えがあるよ。それとコーエン兄弟の「フ
ァーゴ」もその圧倒的な白い世界観・硬質な画質とコーエン得意の変な奴ら達
が楽しい。コーエン兄の実の奥さんでもあるマクドーマンドの自然で暖かな演
技には癒されるし、ご存知変な奴(顔?)代表のブシェミも好演しているぞ。
あっ、それと娯楽映画の最高傑作「スティング」は別格だからね、念のため。
「いやぁ~、映画ってホントにいいもんですねぇ!それじゃあまたご一緒に
楽しみましょう」「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」 by 晴郎長治
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