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[編集部]映画の楽しみ方(その22)

こんにちは。
キャンパスドットコム大学編集部です。

 「ドリームガールズ」を観た。実はミュージカル、戦争もの、ホラー映画は
基本的に映画館では観ない筆者だが、モータウン系音楽やビヨンセ、ジェイミ
ー・フォックスが見たくて我慢できなかったのだ。「シカゴ」でも脚本を書い
たビル・コンドンが監督・脚本を担当しているのにも興味津々だしー。
 結果的にはアカデミー賞では助演女優賞と録音賞にとどまった「ドリームガ
ールズ」だが、ハドソン、ビヨンセ、フォックスは素晴らしく、とりわけエデ
ィー・マーフィーの歌唱力にはぶっ飛んだ。個人的には最近のペン、ケイジ、
スミス、マーフィーのパターン化した演技にいささか食傷気味な筆者なのだが、
この映画でのマーフィーは演技・歌ともに間違いなく近年のベストである。
 公開中なのでこれ以上書いてネタバレするわけにもいかないが、フォックス
やビヨンセの別人のような役作り、そこにはあるこだわりを持って演じている
部分があることは実際に映画を見て感じて欲しい。この二人はやはり凄いぜ。
劇中ではシュープリームスのナンバーはないがハドソンの「ワン・ナイト・オ
ンリー」、ビヨンセの「リッスン 」そして「キャディラック・カー」「ドリ
ームガールズ」と珠玉の名曲をこれでもかーと聴くことができる。

《助演ショーで観る...》

 映画のストーリーや主役の存在感を引き立たせるうえで欠かすことが出来な
いのが脇役という重要な存在である。ところが彼らはただの引き立て役だけに
とどまらず、凡庸な予定調和を破壊して映画に深い味わいを与えてくれている。
 例えば水戸黄門には助さん角さんが欠かせないが、それ以上に”お主も悪よ
のう””良いではないか良いではないか”の悪代官&越後屋、なぜか入浴シー
ンの多い”かげろうお銀”(由美かおる様ね)、串団子ばかり食べてる”うっ
かり八兵衛”そしてナルシストの”風車の弥七”とキワモノ・曲者が彩りを添
えている。ちょっと例えが間違ってる気もするけど(^^;)
 という訳で今回は先週のアカデミー賞特集の流れにのってなぜかアカデミー
助演賞あたりを切り口に脇役・曲者役者をマイフェイバリット・ランキングね。
(なんちゃってランキングが癖になっちゃったの。ゴメンネ)

 老若男女だれもが認めるベスト1は「ミリオンダラー・ベイビー」でアカデ
ミー賞4度目のノミネートで初受賞したモーガン・フリーマン親爺。主従逆転
の表現で申し訳ないが、まさにハリウッドの”いかりや長介”なのである。
 「ミリオンダラー・ベイビー」ではイーストウッドとヒラリー・スワンクの
引き立て役に徹しているし、「セブン」では青臭さを演じるブラピとまるで別
人のような異常犯人スペイシーに見事に対峙し、単なる残虐なカルト映画に陥
りそうなストーリーに人間味を与えている。
 「ドライビング Miss デイジー」の陽気な運転手、「ブルース・オール
マイティ」ではおふざけ神様、「ベティ・サイズモア 」ではなぜか殺人まで
しちゃう強盗が天然看護婦ゼルウィガーに恋してしまう。結構ビミョーな役も
多いけれどなぜか憎めないオヤジなのである。
 筆者のお薦めはやはりみんな大好き「ショーシャンクの空に」の彼。ティム
・ロビンスとのさりげないけど深い友情をじっくりと演じ、ラストにはこの映
画の原題である「THE SHAWSHANK REDEMPTION」を表現し爽快感を残す。

 筆者ベスト2は「ディア・ハンター」で鮮烈な印象を残したクリストファー
・ウォーケン。この時期にはベトナム戦争を扱った映画も多いが「タクシード
ライバー」とこの映画のように戦争そのものを見せるのではなく帰還兵たちや
その周りの人々の人間ドラマで戦争の無意味さ残忍さを伝えている作品に惹か
れる。もちろんデ・ニーロとストリープの好演やかの”ロシアン・ルーレット”
の話題性もあるがウォーケンの演じた人間に内在する”もろさ”が悲しい。
 この映画では「ゴッドファーザーPARTII」「狼たちの午後」でも名脇役
であったジョン・カザールの熱演も光る。メリル・ストリープと結婚予定だっ
た彼はこの映画の公開を待たずして肺がんで他界した。本当に貴重なバイプレ
ーヤーをハリウッドは失った。
 ウォーケンは他にも「バットマンリターンズ」「トゥルー・ロマンス」では
アブナい悪役を「マイ・ボディガード」では後輩役のデンゼル・ワシントンを
暖かく見守る初老の親爺を演じその存在感は凄い。近作では「キャッチ・ミー
・イフ・ユー・キャン」で主演のディカプリオの父親役を好演している。

 曲者俳優を楽しむならタランティーノ監督処女作の「レザボア・ドッグズ」
がお薦めだ。タランティーノ監督デビューをサポートした怪優ハーベイ・カイ
テルが例によってアクの強い演技を見せているし、さらに変な顔ブシェミ(フ
ァンの皆さんごめんなさい)がここでは饒舌な役を演じている。「海の上のピ
アニスト」(主演だけどね)やティム・バートンの「猿の惑星」で熱演してい
るティム・ロスがタランティーノ映画では脇役でいい味を出している。
 冒頭、全員で朝飯を食べるカフェのシーンではストーリーとはなんら関連の
ない会話。”マクドナルドではチップを払わないのにどうしてカフェのウェイ
トレスにはチップを払うのか?”などという話題をグダグダと論じ合ってたか
と思うといきなり、黒スーツにグラサンでキメた面々が「LITTLE GR
EEN BAG」の曲をバックにさっそうと歩くタイトルシーン。楽しいねー。
※最近の作品を観る限り、タランティーノは「レザボア・ドッグズ」と「パル
 プ・フィクション」を一生越えられないような気がする。

 「逃亡者」で助演賞を獲得した缶コーヒーと八代亜紀大好き宇宙人トミー・
リー・ジョーンズ。「逃亡者」では容疑者役のハリソン・フォードをこれでも
かーというぐらいに執念深く追いまわすベテラン警部。オリバー・ストーン監
督「JFK」では熱演ケビン・コスナー地方検事やドナルド・サザーランド相
手に顔色一つ変えずうすら笑いだけで余裕の演技っぷり。あっそれと「スペー
スカウボーイ」ではイーストウッドより目立ってるしー。
 「恋愛小説家」で助演賞にノミネートされたグレッグ・キニアはゲイ役なん
だけどニコルソン相手に堂々の演技。「ベティ・サイズモア」ではゼルウィガ
ーが憧れるTV俳優役。二枚目なんだけどオーラのない中途半端なキャラは
「リトル・ミス・サンシャイン」でも”実はいい親父”を好演している。
 「ミスティック・リバー」ではティム・ロビンスが助演賞を獲得したが、こ
の映画ではなぜかノーマルだったケビン・ベーコンはとにかくキモ面白い俳優。
「ミスティック..」って「スリーパーズ」じゃんと思うんだけど、この映画
や「イン・ザ・カット」「ワイルド・シングズ」あたりではあの不気味なふく
み笑いが炸裂する。同系の性格俳優ジョン・リスゴーも「ミッドナイト・クロ
ス」のようなサイコな悪役をやらせたら抜群だし、「ガープの世界」では元フ
ットボーラーのオカマ役やったりと変幻自在の楽しさを演出してくれる。
 「グッド・フェローズ」ではキレた演技で助演賞を受賞したジョー・ペシは
スコセッシ、デ・ニーロ映画の常連だが「ホーム・アローン」ではコソ泥まで
やっちゃうし、「リーサル・ウェポン」シリーズでも味のある役を演じている。

 ブラピを濃くしてビミョーに小倉久寛が入っちゃってるベニチオ・デル・ト
ロ兄貴の存在感は凄い。ソダーバーグ監督の「トラフィック」で見事助演賞を
獲得したが筆者は「21グラム」の彼が好き。いまだに21g(魂の重さ)の
タイトルをつけた意図は理解できていないが、この映画での彼はショーン・ペ
ン演じる薄いペシミストとは違い深い人間味を感じさせてくれる。 
 バタ臭すぎて筆者の好みではないナオミ・ワッツが、この映画では吹き替え
なしのベッドシーンで物語に生々しさを与えるのに成功している。

 ショーン・ペンのファンはデ・パルマ監督「カリートの道」(パチーノ主演
の暗黒街もの)でびっくりするような変身でヤク漬けのサイコ弁護士(まるっ
きり別人だー)を演じるペンに拍手を送ろう。ファッキュー(放送禁止用語)
《ちなみに連載終了まであと2回なーのだ》
投稿者 編集部 10:04 | コメント(1)| トラックバック(0)
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コメント
えっ?!
このコラムを読むのが金曜午前中の楽しみだったのに、あと掲載が2回というのはどういう・・?!

それにしても、「ハリウッドの"いかりや長介"」には爆笑しました! もー言い得て妙ですよ。どんぴしゃ。雲間から光さす。って感じです。ちなみに私もモーガン・フリーマン大好きです。割と、おじさん俳優が好きで、中学の頃に、生徒手帳に入れていたのは、クリント・イーストウッドの切り抜きだった、という青春なので・・。

ちなみに私は、ジャック・ニコルソンを「ハリウッドの"大地康雄"」と呼んではばかりません。実は、「恋愛適齢期」という映画を見に行ったときに、この話を友人にしていたところ、なんと大地さん本人がいた! という体験をしたことがあり、さらに思いを深めました。

あー早く私も「ドリーム・ガールズ」を見なくては。ビヨンセの歌唱力のスゴさも目の当たりにしたいのですが、なにより最近落ち目の(こらこら)エディー・マーフィーが、落ち目のプロデューサー役をする。という微妙なシンクロニティを垣間見たくもあり・・

ちなみに、コラムによく登場する「目撃者」(米題:ウィットネス)は、大学の授業で、「アーミッシュ」について学習したときに見ましたよ!
いまでもアーミッシュには興味を持っているのですが、最近では「ステラおばさんのクッキー」をほおばることぐらいでしか、アーミッシュに触れていません・・(笑

映画が見たい!! このコラムを読んだあと、必ず思います。ほんと。
投稿者 映画コラムファン 2007/03/16 12:53[削除]
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