2006年11月09日
[編集部]映画の楽しみ方(その8)
こんにちは。
キャンパスドットコム大学編集部です。
浅田次郎氏の愛読者である筆者は「地下鉄に乗って」が一番のお気に入り。
連休に日本映画しか観ない奥さんと一緒に観てきた。良かった。演技派の大沢
たかおが青年から親父までを見事に演じきり、堤真一は「ALWAYS..」
でもみせたとぼけぶりで暗くなりがちな物語を爽やかにみせているし、岡本綾
も控えめで快い。涙腺の弱い筆者はまたまた不覚にも涙してしまったが、原作
の浅田氏の意図をしっかりと表現できている佳作である。ストーリー本線では
ないが、おしむらくは大正モダンの残る良き時代を絵的に観てみたかった。
小林武史氏によるSalyuの主題歌「プラットホーム」はピアノの旋律が美し
いバラード。良い作品に出会うと心が温まり優しい気持ちになれる。
《アにめーで観る...》
筆者よりも読者の方がアニメに詳しいであろうことは承知のうえで今回はこ
のテーマ。このコラム何回目かにフルCGアニメについては書いたので、今回
はセルアニメ(劇場用の長編アニメに限定)の中から筆者の好きなものを選ん
だ。但し、セルアニメといっても最近ではコンピュータ処理されたものが主流
なのでセルアニメ風というべきか。
実は大友克洋の大ファン。もちろん「AKIRA」がそのきっかけ。漫画家
でもある彼の作品には映像作家だけではなしえない緻密さストーリー性、色彩
感覚そしてなによりもセンスの良さなど他の作家と一線を画すものを感じる。
「AKIRA」からさかのぼって3年前に発表された平井和正原作、りんたろ
う監督の「幻魔大戦」でのキャラデザが筆者との始めての出会い。スタイリッ
シュで透明感のある映像手法は「MEMORIES」「STEAMBOY」で
も健在。
「MEMORIES」では1作目の森本晃司監督作品「彼女の想いで」も心
に残った。洗練された映像でゾクゾクするようなはりつめた記憶の世界に迷い
込んだ主人公の苦悩。オペラを使ったおどろおどろしい演出は大成功。ここで
は今をときめく今敏が脚本を担当している。
大友監督の手による「大砲の街」はワンシーンワンカットの実験映画として
の話題が先行するが(実際はよく観るとワンカットではない)、世界市場を意
識しはじめた大友氏の気合いが感じられる佳作。架空のヨーロッパぽい国が舞
台のこれまた架空のお話。ここに反戦などというメッセージはなくナンセンス
ではあるが、抜群のセンスとクオリティの高さである。蒸気機関のレトロ感は
近作の「STEAMBOY」に引き継がれている。作品全体を通じて、作者達
がいろいろな試みを楽しんでいるのが伝わってくるし、あくまでエンターテイ
ンメントにこだわる潔さが快い。芸術とは理屈ではなくかくあるべきだ。
1作目で映像とのベストコラボをみせた菅野よう子氏そしてエンドロールは
かの電気グルーヴの石野卓球氏がカウンター感いっぱいの音楽。まさに良い映
像には良い音楽といったお手本のような作品である。
やはりディズニーもおさえないわけにはいかない。
「ファンタジア」は音楽の映像化という実験映画にして娯楽映画としても成
功した作品。なかでも「魔法使いの弟子」で黙々と水を運ぶホウキ達の不気味
さがお気に入り。筆者はクラシックにうといし、意外とキモイ映像も多いのだ
がやはりディズニーの気合を感じる傑作である。
近作では「ターザン」がいい。実は2次元のように見えてバリバリのCGレ
ンダリング最新技術を導入した作品。ディズニー特有のいきなりミュージカル
風に主人公達が唄いだすのがどうもなじめないけど。
世界初の長編カラーアニメの「白雪姫」や「バンビ」「ダンボ」「ピノキオ」
と1940年頃のアニメーターによる作品に傑作が多い。「ピノキオ」の挿入
歌である「星に願いを」は心に残る名曲である。
※古典作品を観るとディズニーアニメの本質は本当は根の暗いところにあるこ
とを確信する。かのティム・バートンも実は元ディズニーアニメーターだった。
力作であることは確かであるが「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の世
界観が彼の本質をよく表している。
ディズニーとくれば宮崎作品もおさえないわけにはいかない。
「風の谷のナウシカ」が大好き。風使いナウシカがメーヴェ(あの1人乗り
グライダー)に乗って飛翔するシーンは爽快かつ雄大である。巨神兵の不気味
な復活シーン、そしてなによりラストに王蟲の触手で復活するシーンは久石譲
の悲しげな音楽(+スキャット ♪ラン ランララランランラン)とあいまっ
てなぜか涙が止まらなかった。
2年後に発表した「天空の城ラピュタ」も好き。筆者大好き「未来少年コナ
ン」を連想させるような元気な男の子は以降の作品では出てこない。ここでも
久石氏の音楽は物悲しく切ない。宮崎作品では「未来少年コナン」と「ルパン
3世 カリオストロの城」が専門家の評価が高い。筆者は人形のフリをして汗
タラタラのジジや母への思いをかなえたネコバスだって大好きだし、不気味な
紙人形に追われるハクの竜も。説教くさいところを差し引いてもやはり宮崎作
品はそのすべてが鮮明に心に残っている。
※ちなみに筆者はルパンシ3世リーズでは劇場版第1作目の怪人マモーの出て
くるやつが好き。
いかん「アイアン・ジャイアント」やウォレスとグルミットシリーズ、ガンダ
ムシリーズ、高畑監督、押井監督、今監督そして古典の名作と書きたいことが
いっぱいあるのだが...次回だ。サバラ!(グエ!まことちゃんかよ)
キャンパスドットコム大学編集部です。
浅田次郎氏の愛読者である筆者は「地下鉄に乗って」が一番のお気に入り。
連休に日本映画しか観ない奥さんと一緒に観てきた。良かった。演技派の大沢
たかおが青年から親父までを見事に演じきり、堤真一は「ALWAYS..」
でもみせたとぼけぶりで暗くなりがちな物語を爽やかにみせているし、岡本綾
も控えめで快い。涙腺の弱い筆者はまたまた不覚にも涙してしまったが、原作
の浅田氏の意図をしっかりと表現できている佳作である。ストーリー本線では
ないが、おしむらくは大正モダンの残る良き時代を絵的に観てみたかった。
小林武史氏によるSalyuの主題歌「プラットホーム」はピアノの旋律が美し
いバラード。良い作品に出会うと心が温まり優しい気持ちになれる。
《アにめーで観る...》
筆者よりも読者の方がアニメに詳しいであろうことは承知のうえで今回はこ
のテーマ。このコラム何回目かにフルCGアニメについては書いたので、今回
はセルアニメ(劇場用の長編アニメに限定)の中から筆者の好きなものを選ん
だ。但し、セルアニメといっても最近ではコンピュータ処理されたものが主流
なのでセルアニメ風というべきか。
実は大友克洋の大ファン。もちろん「AKIRA」がそのきっかけ。漫画家
でもある彼の作品には映像作家だけではなしえない緻密さストーリー性、色彩
感覚そしてなによりもセンスの良さなど他の作家と一線を画すものを感じる。
「AKIRA」からさかのぼって3年前に発表された平井和正原作、りんたろ
う監督の「幻魔大戦」でのキャラデザが筆者との始めての出会い。スタイリッ
シュで透明感のある映像手法は「MEMORIES」「STEAMBOY」で
も健在。
「MEMORIES」では1作目の森本晃司監督作品「彼女の想いで」も心
に残った。洗練された映像でゾクゾクするようなはりつめた記憶の世界に迷い
込んだ主人公の苦悩。オペラを使ったおどろおどろしい演出は大成功。ここで
は今をときめく今敏が脚本を担当している。
大友監督の手による「大砲の街」はワンシーンワンカットの実験映画として
の話題が先行するが(実際はよく観るとワンカットではない)、世界市場を意
識しはじめた大友氏の気合いが感じられる佳作。架空のヨーロッパぽい国が舞
台のこれまた架空のお話。ここに反戦などというメッセージはなくナンセンス
ではあるが、抜群のセンスとクオリティの高さである。蒸気機関のレトロ感は
近作の「STEAMBOY」に引き継がれている。作品全体を通じて、作者達
がいろいろな試みを楽しんでいるのが伝わってくるし、あくまでエンターテイ
ンメントにこだわる潔さが快い。芸術とは理屈ではなくかくあるべきだ。
1作目で映像とのベストコラボをみせた菅野よう子氏そしてエンドロールは
かの電気グルーヴの石野卓球氏がカウンター感いっぱいの音楽。まさに良い映
像には良い音楽といったお手本のような作品である。
やはりディズニーもおさえないわけにはいかない。
「ファンタジア」は音楽の映像化という実験映画にして娯楽映画としても成
功した作品。なかでも「魔法使いの弟子」で黙々と水を運ぶホウキ達の不気味
さがお気に入り。筆者はクラシックにうといし、意外とキモイ映像も多いのだ
がやはりディズニーの気合を感じる傑作である。
近作では「ターザン」がいい。実は2次元のように見えてバリバリのCGレ
ンダリング最新技術を導入した作品。ディズニー特有のいきなりミュージカル
風に主人公達が唄いだすのがどうもなじめないけど。
世界初の長編カラーアニメの「白雪姫」や「バンビ」「ダンボ」「ピノキオ」
と1940年頃のアニメーターによる作品に傑作が多い。「ピノキオ」の挿入
歌である「星に願いを」は心に残る名曲である。
※古典作品を観るとディズニーアニメの本質は本当は根の暗いところにあるこ
とを確信する。かのティム・バートンも実は元ディズニーアニメーターだった。
力作であることは確かであるが「ナイトメアー・ビフォア・クリスマス」の世
界観が彼の本質をよく表している。
ディズニーとくれば宮崎作品もおさえないわけにはいかない。
「風の谷のナウシカ」が大好き。風使いナウシカがメーヴェ(あの1人乗り
グライダー)に乗って飛翔するシーンは爽快かつ雄大である。巨神兵の不気味
な復活シーン、そしてなによりラストに王蟲の触手で復活するシーンは久石譲
の悲しげな音楽(+スキャット ♪ラン ランララランランラン)とあいまっ
てなぜか涙が止まらなかった。
2年後に発表した「天空の城ラピュタ」も好き。筆者大好き「未来少年コナ
ン」を連想させるような元気な男の子は以降の作品では出てこない。ここでも
久石氏の音楽は物悲しく切ない。宮崎作品では「未来少年コナン」と「ルパン
3世 カリオストロの城」が専門家の評価が高い。筆者は人形のフリをして汗
タラタラのジジや母への思いをかなえたネコバスだって大好きだし、不気味な
紙人形に追われるハクの竜も。説教くさいところを差し引いてもやはり宮崎作
品はそのすべてが鮮明に心に残っている。
※ちなみに筆者はルパンシ3世リーズでは劇場版第1作目の怪人マモーの出て
くるやつが好き。
いかん「アイアン・ジャイアント」やウォレスとグルミットシリーズ、ガンダ
ムシリーズ、高畑監督、押井監督、今監督そして古典の名作と書きたいことが
いっぱいあるのだが...次回だ。サバラ!(グエ!まことちゃんかよ)


